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2017.03.13

こんなDMが嫌われる! 不満調査から見えてきたDMのポイント



 日々大量に送られてくるDM(ダイレクトメール)。「?」「!」と気になって中を見るものもあれば、そのまま表紙だけを見てゴミ箱行きとなる場合もあるだろう。DMは果たしていったいどのくらい世に出回っているのだろうか?

 大手広告代理店「電通」が発表した「2015 日本の広告費」によれば、DMの広告費は2014年に3923億円で、対前年比で100.8%と伸びたものの2015年には3829億円、対前年比97.6%と減らしている。減ったが“個人宅に届く広告・販促ツール”である新聞広告(対前年比93.8%:15年)や折込チラシ(対前年比95.3%:15年)に比べれば、なかなか健闘していると言っていいのではないだろうか。

 この電通の「日本の広告費」を一般社団法人日本ダイレクトメール協会が分析している。それによると、この数字の背景には、ネットを軸に広告展開していた企業がDMを積極的に活用したケースもあるものの、もともとDMを広告の柱にしていた企業が一旦ネットにシフトし、その後DMの費用対効果を見直して、DMに回帰していることがあるという。つまりネットとDMの棲み分けが進んでいて、よりその位置付けがはっきり、くっきりしてきているということだ。

 実際、DMは結構見られている。

 LABOLISのDMライブラリの2015年度統計から、DMのおよそ6割が開封されていることが分かった。業界別では凸凹があり、「教育・出版」「建設・不動産」業界の開封率は4割前後だが、「化粧品・トイレタリー」業界のDM開封率は実に7割を超えている。(ご参考

 開封率も気になるところだが、DMを開けた時中身に対してどのような印象を持つかということも大事だ。期待したのに「残念!」となっては、かえって不満が募る。テレビCMなどのマスメディアは、基本的に不特定多数を対象としており、それゆえ接触する人は非常に多い。たとえばテレビの場合、関東地区で1%の視聴率で、世帯数で約18万4千世帯、個人で約40万6千人が視聴している計算になる(ビデオリサーチ社サイトより)。
 これに対して、DMなどのダイレクトメディアは不特定多数ではなく、決まった特定の人に対してダイレクトに届く。送る側も「おそらくこの人であれば、興味をもってくれる」と考えて送っているはずだ。

 そこで今回LABOLISでは、生活者がDMに対してどんな不満がもっているかを調査してみた。調査の対象は、在宅率が高いシニア層と主婦(主夫)層で、シニアが1000人、主婦が1065人。DMに対する不満を収集する方式を取ったため、基本的に結果は不満だらけとなる調査である。全体的にネガティブトーンとなることを了承いただきたい。ただ不満の要因を突いていくことで、何がネックになっているかが見えてくる。そこからより高い開封率、レスポンスを獲得していく手がかりをつかむことはできるはずだ。
 

片思いのDMにならないように

 まずシニア層。
 今回対象となった年齢は65歳以上で、男女ともほとんど会社勤めから引退をしている世代。勤めに出かける必要もないので勤労世代と違い在宅率も高く、時間も自由に使える。またネットニュースより新聞を好む世代であるから、送られてきたDMが琴線に触れる内容であれば、他の世代に比べ開封率もレスポンス率も高くなるはずだ。

 このシニア層において多かった不満の1位は「興味のない内容であることに対する不満」で、全体の29.2%を占めた。その次は「何度も郵送物が届くことへの不満」が27.6%である。この2つの理由は突出していて、3位の「断った後にもDMが届くことへの不満」の5.7%を大きく引き離していた。

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 個人宛てに届くDMは、ダイレクトマーケッターや広告業界からは、「送り先に対するラブレターである」という声も聞かれる。しかしこの調査からは、そのラブレターはどうも“片思い”であることが多いことが言えそうだ。「興味がない内容」(1位)のDMが「何度も送られてくる」(2位)と、さすがに誰でも興ざめするだろう。

 もちろんDMが必ずしも興味のあるものばかりある必要はない。まったく新しい商品やサービスの紹介では、相手に気付きを与えることも必要だからだ。「DMの目的が何か」といった役割を明確にすることで、見えてくる課題もあるだろう。

分別ゴミに主婦の神経を使わせるな!

 では主婦層ではどうか。
 1位は「何度も郵送物が届くことに対する不満」で25.2%あった。2位が「興味のない内容であることへの不満」で、13.5%。3位が「処分が面倒であることへの不満」で12.8%と続いた。
 シニアと逆転したが1、2フィニッシュは同じだった。ただ2位との差がダブルスコアに近い。続く不満の内容からすると、主婦層はどうやら不要なDMがゴミとなることを嫌うようだ。とくにビニール包装やステープラー留め、CDセットなど紙以外のものが入っているとかなり不満が高まる。

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 実際の声でも、「いちいちビニールで包装されているから捨てるのに面倒くさい」(30代女性)とか、「マグネットが挟み込んである。邪魔」(30代女性)「ステープラー留めの商品冊子を送られると廃棄するときに分別や破くのが面倒。CDが入ってたりすると余計困る」(20代女性)など、ゴミの分別の面倒さが目立っていた。

 また主婦の場合は個人情報の流出に対する不満もシニアに比べて高く、シニアの4.9%に対して6.9%あった。
 主婦の場合、個人情報流出に対してゴミ出しの手間がさらにかかることが不満を高めているようで、「自分の住所氏名が書かれているところを消す、または切り取る作業。冊子になっているものと、紙ペラのチラシを別々にして、資源ゴミとして出す作業。とにかく不要なものを送りつけられ、時間と手間をかけ破棄しなくてはいけないことが不満」(40代女性)など、悲鳴に近い声も挙がった。

 加えてやっかいなのは、そういう同じものが何度も届くだけでなく、断ったはずなのに繰り返し届くこと。シニアの不満の3位(5.7%)、主婦の4位(9.0%)が「断った後に郵送物が届くことへの不満」である。不満に不満を覆い被せるようなもので、企業イメージはかなり毀損してしまう。 
「とにかくしつこい。受講しているのに、他のコース案内のDMが送られてくるし、同じ内容のものが何度も来るので、見ずに破棄する時もある」(40代女性)、「ダイレクトメールをとめることができない」(30代女性)といった切実な声も聞かれた。この人は「企業ホームページ等でダイレクトメールの停止手続きができるように。あるならもっと分かりやすく」と訴えている。

 シニアでもやはり「要らないと断ったにもかかわらず、相変わらず送ってくる」(80代男性)、「一度断ったのに何回も同じ感じのものが送られてくる」(60代女性)という声が目立った。

嫌われないDMにするためには?

 では現状に対してどこを改善すれば、レスポンスアップにつなげることができるだろうか。今回LABOLISではシニア、主婦それぞれ1位の不満を理想に変えるためのアンケートも実施している。

 シニアの不満トップは「興味のない内容であること」である。これに対しての案は、「送付対象先のミスマッチの解消」が1番に挙がった。次が「破棄、受取拒否の返事ができるようにする」。あとは「文章、レイアウトの改善」「興味を持てる製品・サービスの改善」などが続いた。
 一方主婦のトップとなった不満、「何度も郵送物が届くこと」には、「受取拒否の対応の仕組みの構築・簡便化」が改善案として挙がった。2位が「購入履歴に応じた対応」で、3位が「送付頻度の見直し」、以下「DM以外での告知に変更」、「特典の変更・サンプルの送付」、「内容の簡略化」といった声が挙がっている。

 シニアトップの不満であるミスマッチの解消は、保有する情報を元に、印刷物の一部を差し替えられるバリアブル印刷の技術を活用することで解決できる部分もあるだろう。差し替える内容は送付企業が相手のことをどれだけ知っているかにかかってくるため、購入履歴などベースになる情報が少なければその改善と言ってもなかなか難しいだろう。
 とすれば文章やレイアウトの変更による魅力化、あるいは送付頻度の見直しなどは有効になってくる。社会全般的にエコ志向が定着している今、不要と判断されたDMは資源の無駄遣いと思われかねない。適切なタイミングでの送付はマストのようだ。
 
 昔から成功するDMには「ターゲット」「クリエイティブ」「タイミング」「オファー(特典)」の4つの要素が重要と言われてきたが、今回の調査からは、いかに適切なタイミング(機会だけでなく頻度)で送るか、そしてその人にマッチしたコンテンツであることが、成功するDMの特長であることが見えてきた。

関連事例・調査レポートダウンロード

  • DMに関する調査(不満)
    DMに関する調査(不満編)
    DMに関して、シニア・専業主婦(主夫)層が抱く不満を調査しました。

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