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2017.02.02

バリアブル(可変)DMで もっと顧客に寄り添うコミュニケーションを[DMライブラリレポート1]

 近年、企業のCRMシステムの向上と印刷技術の進歩により、ダイレクトメールのレスポンス率アップの方法の一つとして、バリアブル(可変)印刷を活用する企業が増えている。バリアブル印刷を活用したDMとは、リスト全員に同じ内容を届けるという一般的なDMと異なり、顧客の属性や購買履歴を踏まえてDMの中身を差し替えて印刷することでその顧客によりフィットした情報を届けるものである。

 具体的には性別・地域・年代といった顧客属性によって分ける場合や、購入品目・購入金額・利用回数・直近利用日といった購買履歴によって分ける場合、また顧客属性と顧客履歴の両方を掛け合わせることもある。そのセグメントに従って送付するDMのメインビジュアルや特典を変えたり、時には提案する商品・サービスそのものも変える。そうすることでより一人ひとりの顧客に喜んでもらい、レスポンス率アップにつなげる、これがバリアブルDMの狙いである。

 ではそれぞれのセグメントに応じてどんなコンテンツを出し分ければよいのか。そんなときにはテストマーケティングを行うことも多い。ここで、最近LABOLISのDMライブラリに貯蔵されたテストマーケティングを行っている(と思われる)DMを2つご紹介したい。

割引vsポイントプレゼント?

 1つ目はある衣料カタログ通販会社からのクーポンDM。図1のように一部が圧着されている往復はがきで展開するとはがきの6面分になる。往信部分が注文はがきになっていて、あらかじめ送ってあるカタログ冊子またはWebカタログからの注文を促す内容になっている。このようにカタログとは別にクーポンDMが単体で届くと、改めてカタログを見てみようか、というきっかけになりそうだ。

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(図1)衣料通販会社 往復はがき(一部圧着6面)

 今回、このDMは3名の生活者モニターに異なるパターンのDMが届いており、差し替えられていた箇所は、特典部分とポイント印字部分であった。特に注目すべきは、特典部分。

・パターンA-5000円以上注文で1000円値引き
・パターンB-5000円以上注文で700ポイントプレゼント
・パターンC-5000円以上注文で500円値引きまたは10000円以上注文で1000円値引き

 このように特典に差をつけているのはなぜだろうか? 先に述べた顧客属性や購入履歴など、何かに基づいているのだろう。他にもパターンがある可能性も高そうだが、この3パターンからどのようなテストマーケティングを実施しているのだろうか。

 例えば「ACが金額、Bはポイント還元ということから、金額の値引き表記とポイントプレゼントという表記による比較」、または、「1円=1ポイントだとすると、AとBを比較して1000と700の差による比較・AとCでは、一律の値引きと、値段によって値引き額に差をつけることのどちらが効果的かを比較」、といったように様々な推測ができる。このDMでは顧客をどのような顧客情報に基づいてランク付けし、それぞれにどのくらいのレスポンスを見込んで還元率を設定しているのか? いろいろと議論してみると面白いかもしれない。

複数のテストの組み合わせ?

 2つ目は通信会社の事例である。「話題のスマホ」が発売されるタイミングで既存ユーザーに買い替えを促すDMで、DMライブラリからは4パターンが確認された。このDMも特典内容に差がついており、図2のように宛名面の特典概要部と展開1の特典詳細部が差し変っていた。

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(図2)携帯会社 定形外(A4)サイズ6面

 まず4パターンともに共通していたのが、契約中の特定機種を下取りすると話題のスマホが0円という特典。次に、差がついていたのが機種代割引額で、10000円~15000円の差があった。また、「話題のスマホ」を優先的に在庫確保する特典があるものとないものとがあった。

下取りで実質0円~ 機種代割引 優先受取特典
パターンA ② 15,000円割引
パターンB ③ 10,000円割引
パターンC ⑧ 15,000円割引 ×
パターンD ⑨ 10,000円割引 ×

 この分類は業界的に顧客属性というよりも継続月数や利用金額など、利用実績に合わせて差をつけている可能性が高いと思われる。また、顧客分析に基づいた分類ではなく、次回以降のDM施策のためのテストマーケティングとしてバリエーションをつけている可能性も高い。ちなみにDMの端に種別番号らしきものが②③⑧⑨とあり、素直に考えて1~9が存在するとすれば、この4パターンのほかに少なくとも5パターンはあると推測できる。一体このほかにどのような特典分けをしているのか気になるところである。

 以上、テストマーケティングを行っている(と思われる)DMの概要と具体例をみていただいた。
 多様化の時代、企業にはますますOne to Oneマーケティングの考えが求められている。顧客全員をひとくくりにせず、いかに生活者一人ひとりにフィットしたコミュニケーションをはかるかが重要となってくる。生活者は膨大な情報の中から常に取捨選択を行っているので、その中から「自分に合っている」と思ってもらえる情報を届けるのに、バリアブル印刷という技術をうまく活用できるのではないだろうか。

DMライブラリとは
生活者モニターの自宅に送付されたダイレクトメールを収集した施設(ライブラリ)です。
※DMライブラリで収集したDMは著作権の関係上、実物の画像を掲載できません。実物をご覧になりたい場合は、ぜひLABOLISへお越しください。(LABOLISへのご来場は事前予約が必要です。お問い合わせページよりご連絡ください。)

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