Direct!トレンドビュー

2017.03.08

あらゆるDM手法をフル活用した 新中学生向け通信教育DM [DMライブラリレポート5]

 通信教育業界は、業態の特性上、DMのクオリティーが著しく発達した業界といえる。彼らは顔の見えないなかでいかに関係性を作り出し、長期間に渡って子供の教育をサポートするか、という命題に長年答え続けている。独自の進化を遂げたDMは、日本郵便が主催する全日本DM大賞でも毎年のように入賞し、高く評価されてきた。

 あるDMライブラリの生活者モニターにも一通の通信教育DMが届いた。内容は現在小学6年生のお子さまを対象として、高校受験を見据えた中学講座をおすすめするものだ。この一通には業界の長年のノウハウが駆使され、まるでフルコースのように凝縮されている。一つずつ要素をひもとき、一緒にじっくり味わっていきたい。

開封促進のあらゆる手段をバランスよく駆使

 まず封筒である。封筒には開封を促すあらゆる手段がバランス良く用いられている。

封筒イメージ(表面)
封筒イメージ(表面)

 片面は上の図のようなレイアウトで、主に2つの特徴がある。

①「小学6年生のお子さまの保護者の方へ」と誰宛にこのDMを届けたのかを明確なターゲットコピーが示されている。
②ちょうど小学6年生くらいの女の子が自宅学習している写真が配置されている。これは人は人の顔らしきもの(3つの点が集まったもの)に目がいく習性(シミュラクラ現象)を利用している。

①のコピー、②のビジュアルで、ポストから手に取った瞬間、このDMに注目してもらいたいという狙いが読み取れる。

 もう片面はこうなっている。

05_02_B
封筒イメージ(宛名面)

 主に4つの特徴がある。特に窓から覗くバリアブル(可変)印刷に注目。

 この面では
③封筒のフタにあたる部分が「当●●講座で志望校合格実績90.0%」とその理由が知りたくなり開封を促すティーザーコピーとなっている。
④最もこのDMで特徴的な部分、過去の受講生の中からその地域の高校合格者数が、対象者に合わせてバリアブル印刷されている。長年の実績・集計があってこその数字なので、この講座の信頼性が厚みをもって伝わってくる。
⑤この面で最も目立つように示されているのが、この締め切り日のゾーン。いくら興味を持ってもらっても、申し込んでもらわないと意味がないので、黄色にスミ文字で、はっきりと締め切りを意識させている。
⑥フリーダイヤルを大きく記載、受付時間もきちんと添えてある。気になった方が気軽に問い合わせやすい。

 以上、両面あわせて6点がこの封筒の特徴である。

感情とデータの両方で保護者の心をつかむ

挨拶状イメージ
挨拶状イメージ

 「来年、中学生になるお子さまをお持ちの保護者の方へ」で始まるこの挨拶状は、冒頭文が保護者のタイムリーな気持ちに寄り添うような、きめ細やかな表現で綴られている。その後に、統計的に中学入学前の学習スタートがトップ高校合格へ導くベストタイミングであることを示し、感情とデータの両方で保護者の心をつかむような構成でできている。

 ブロシュアは以下のように大きく5種類が同封されている。

・保護者さま用の概要説明パンフレット
・保護者さま用の詳細説明冊子
・お子さま用の体験教材
・お子さま用のマンガ
・タブレット学習の案内

 これだけの多種類、なかなかどれから読み進めていいか迷うところ。だがそこはきちんと保護者さま用とお子さま用に分けて作られている、いわゆるマルチターゲットの手法だ。保護者さま向けには、時間がない人には概要だけ説明したパンフレットを、そうでなければ詳しい冊子を用意してあり、お子さま向けには、通信講座を一部体験できるような教材とこの講座を受ければどうなるかをマンガで読んでもらえるようになっている。

 最後にレスポンスシートである。

レスポンスシートイメージ
レスポンスシートイメージ

 こちらは、窓空き封筒の外からのぞいていた地元高校の合格者数のバリアブル印刷と宛名が印字されているシートと一体となっている。中面で手順が1,2,3と番号で順番に分かりやすく示され、電話・インターネット・ハガキのいずれか都合の良い方法で申し込むように案内されている。また、いつ申し込めばいつ教材が届くかのカレンダーも丁寧に添えられ、申し込み時の不明点が隅々まで解消されている印象だ。

 以上が、長年のノウハウが凝縮された、ある一通の通信教育DM紹介である。昨今では、封筒の中身をできるだけ減らしたり、封筒とブロシュアを一体化したり、とボリュームを減らすトレンドのなか、こうしてたっぷりと情報を載せているDMは珍しい。そんなトレンドに逆らって、これだけの情報量を、バリアブル印刷・マルチターゲットなどなど、あらゆるテクニックを駆使して届けているのは、レスポンスが高い証拠であろう。進化し続ける通信教育業界が、次にどんなDMノウハウを生み出していくのか、これからも注目していきたい。

DMライブラリとは
生活者モニターの自宅に送付されたダイレクトメールを収集した施設(ライブラリ)です。
※DMライブラリで収集したDMは著作権の関係上、実物の画像を掲載できません。実物をご覧になりたい場合は、ぜひLABOLISへお越しください。(LABOLISへのご来場は事前予約が必要です。お問い合わせページよりご連絡ください。)

関連事例・調査レポートダウンロード

  • DMライブラリ2016年度統計資料
    DMライブラリ2016年度統計資料
    DMライブラリに2016年度集まったDMの統計情報をまとめました。

    PDFをダウンロードする




お問い合わせの後の流れ
お問い合わせの後の流れ

記事についてのお問い合わせ・ご相談はこちら

※コーポレートサイトに移動します。