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2017.03.21

「電力自由化DM」徹底比較。 各社はどのような切り口でアプローチしているのか? [DMライブラリレポート6]

 2016年4月からスタートした電力自由化。これまでの地域電力会社に加え、ガスや石油などのエネルギー関連企業、通信会社、生協、コンビニなど、幅広い事業者が新規参入している。

 新電力に切り替えた方がおトクなのか?電力の安定性は大丈夫か?自分のポリシーにあった電力会社を選択ができるのか?生活者はマス媒体やインターネットからの情報でなんとなくその特徴を掴んでいるが、「では、ウチの場合はどうなるのか?」となると、事業者は各家庭レベルに落とし込んできめ細やかな説明をする必要がある。そういった意味で電力自由化の販売促進にはダイレクトメール(DM)が大いに活用されている。LABOLISのDMライブラリにも、2015年年末から電力自由化関連のDMがいくつか届いているので詳しくご紹介したい。

求めるアクションに応じてDMの情報量は増減

 電力自由化以前に届いたDMは2つで、どちらも既存の地域電力会社からのものだった。自由化スタートに先駆けて、既存の顧客を囲い込んでおこうという狙いであろう。

送付元 ①地域電力会社 ②地域電力会社
送達時期 2015年12月 2016年2月
形状 はがきZ折 角2封筒
・挨拶状兼ブロシュア
・申込書
・返信用封筒
電気代試算 現在の利用状況に応じて可変印字
加入特典 有(詳細言及なし) 有(12,000ポイントまたは10,000円商品券)
起こしてほしいアクション ・見える化サービス(無料)の登録
・新プラン先行申し込み
新プラン申し込み

 ①の12月のはがきでは新しいプランの告知と現状の電力利用状況を見える化できるWebサービスへの誘導をし、離反を防ぐ関係性づくりを狙っている。

 ②の2月の角2封筒のDMでは現状の電気代を実際に印字し、新プランに切り替えることでどのくらい料金メリットが出るかの試算を可変情報で示している。新プランに切り替えるとメリットが出るようなファミリー世帯を中心にセグメントしている可能性も高く、加入特典も他のどの会社よりも最も高い金額を設定している。

送付元 ③ガス会社
送達時期 2016年10月
形状 A4巻き三つ
電気代試算 ざっくり
加入特典 有(抽選でQuoカード10,000円もしくは1,000円分)
起こしてほしいアクション 料金シミュレーションサイトへのアクセス

 ③のガス会社は、自由化から半年後に送付している。割とあっさりとした印象のDMで、電気代の試算も「だいたい年間1万円安くなります」と大まかにお知らせし、興味があれば料金シミュレーションサイトへと誘導するに留めている。

送付元 ④通信系A社 ⑤通信系B社
送達時期 2016年9月 2016年4月
形状 角2封筒
・宛名台紙兼挨拶状
・ブロシュア
・申込書(住所印字済み)
・申込書記入例
・申込注意書き
・返信用封筒
長3封筒
・ブロシュア×2
電気代試算 世帯人数別に詳しく 世帯人数別に詳しく
加入特典 有(QUOカード500円) 有(水回りトラブルなど駆け付け2年間無料)
起こしてほしいアクション 申し込み 検針票を持参して来店

 ④⑤の通信系2社は世帯人数別に詳しいプランをいくつか提示しており、実際の利用状況が印字されておらずとも「ウチの場合はどうなの?」ということが非常に分かりやすく説明している。④のA社は申込書を同梱してあり、⑤のB社は検針票を持って最寄りの店舗への来店を促しており、クロージングに積極的である。また⑤のB社については再生可能エネルギープランもあり、エコ志向の生活者も漏れなく押さえることでとにかくシェアを確保したい意図が感じられた。

送付元 ⑥ガス関連会社
送達時期 2016年7月
形状 角2封筒
・ブロシュア
・うちわ
電気代試算
加入特典
起こしてほしいアクション 電話
備考 メインはガス以外のサービス取り扱いの認知向上

 最後に⑥のガス関連会社のDMは、ガス以外にも水周りなど暮らしに関するさまざまなサービスも取り扱っていることの訴求がメインで、電力自由化については販売開始の案内がサブ的に入っているものだった。電力販売開始の告知よりも、まずは自社の幅広さを知ってもらい身近に感じてもらうことを目的としているように思われる。

 以上が、2015年末から約1年の間にDMライブラリに届いた電力自由化関連DMである。

 かつての電話回線やインターネット回線市場の小売スタートの折は、新規参入業者同士サービスの特徴や違いが分かりにくくキャンペーン合戦がメインであったような印象があるが、この電力自由化1年目ではまだ各社とも様子見しているように思われる。生活者にとっては、どこが得でどこが損か?各社とも果たして安心して供給してもらえるのか?自分のポリシーに合致しているか?といろんな選択基準があるが、事業者としては「他でもない自社を選んでもらう理由」をまだまだ積極的にアピールする余地がありそうだ。引き続き注目していきたい。

DMライブラリとは
生活者モニターの自宅に送付されたダイレクトメールを収集した施設(ライブラリ)です。
※DMライブラリで収集したDMは著作権の関係上、実物の画像を掲載できません。実物をご覧になりたい場合は、ぜひLABOLISへお越しください。(LABOLISへのご来場は事前予約が必要です。お問い合わせページよりご連絡ください。)

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