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2017.07.07

何を守る? どう隠す? DMにおける個人情報保護の工夫いろいろ[DMライブラリレポート14]

 2017年5月30日、改正個人情報保護法が全面施行となった。今回の改正で取り扱う個人情報の数が5,000件以下となる事業者でも適用を受けることになる。(ご参考:経産省Webサイト
 そのため規模の大小にかかわらず全ての企業が個人情報の安全管理に不備はないか、適正な取り扱いができているかについて改めて慎重に点検する必要があるだろう。同時に生活者側としては企業に提供した自分の個人情報がきちんと守られているのか、今まで以上に敏感になることが予想される。

 そこで今回は企業がDMにおいて顧客からの注文や申し込みなどの必要事項を記入して返信してもらう際、どのような情報をどう隠しているのかをDMライブラリに所蔵されているいくつかの実例から見ていきたい。

のりしろにそってのり付けするタイプ

 まずは最もアナログな個人情報隠ぺい方法をご紹介する。申込者に情報を書き込んでもらい、その情報面を中面に折り込んでのりを貼って隠す方法である。特別な印刷技術が必要ないぶん、低コストで作れる形態である。

 こちらの不動産の売却相談DMは、図1のように情報を書き込んだ中面の縁をのりで貼り付けるとはがきサイズに成形され、郵便はがきとしてそのままポストに投函することができる。
 本DMに記入する情報は以下の通りである。

記入情報:名前、住所、電話番号、査定不動産の所在地、面積(㎡)、築年数、売却希望価格

(図1)不動産の売却相談DM
(図1)不動産の売却相談DM

 次の健康補助食品のDMは図2のように郵送とファックスが兼用となった申込書である。郵送の場合はこの申込書に情報を書き込み、書き込んだ面を隠すように三つ折りにして縁をのりで貼り付け、封書として返送するようになっている。
 本DMに記入する情報は以下の通りである。

記入情報:名前、住所、ぜんそくやアレルギーの有無、クレジットカード情報、誕生日


(図2)健康補助食品DM

保護シールタイプ

 次にシールタイプをご紹介する。シールタイプにはさまざまな呼び名があり「隠蔽ラベル」や「目隠しシール」「個人情報保護シール」などと呼ばれる。あらかじめ同封・添付されたシールを、情報面を隠すように上から貼りつけることで大切な情報を守ることができる。このタイプはのり付けと違って不正開封を防止する機能があるものが多く、剥がすと粘着性がなくなるもの、さらに剝がした痕跡が残るものなどがある。そうして顧客の情報を慎重に取り扱っていることを印象付けることが可能だ。

 次の地方銀行の年金相談会への申し込みDMでは図3のように返信DMの裏面にシールが添付されており、本体からはがして宛名面の情報書き込み面の上に貼り付ける。
 本DMに記入する情報は以下の通りである。

記入情報:相談会希望日時、名前、住所、電話番号、取引店

(図3)地方銀行の年金相談会DM
(図3)地方銀行の年金相談会DM

 こちらのカード会社のDMでは、図4のように情報書き込み部の反対側が全面シールになっており、剝離紙を剝がして二つ折りにすることで情報面を隠して送れる作りになっている。クレジットカード番号など他の事例に比べてかなり機密性の高い情報を書き込むため、本体とシールを一体化することでシールを万が一なくすことを防ぎ、心配を軽減している。また説明書きに「本申込書は貼り合わせた後、時間の経過とともに粘着が強くなります。」との表記があり、利用者にできるだけ安心して返信してもらえるように配慮していることもうかがえる。
本DMに記入する情報は以下の通りである。

記入情報:ご利用の電力会社、電力会社のお客さま番号、名前、住所、電話番号、クレジットカード番号

(図4)カード会社の電気料金のクレジット払い申し込みDM
(図4)カード会社の電気料金のクレジット払い申し込みDM

 以上、個人情報を保護して送るDMのいくつかのタイプを紹介した。隠すべき(回収する)情報は何か? その機密度合いはどれくらいか? 企業の個人情報保護への意識レベルはどうか? それらによって形式はさまざまである。
 企業側としては個人情報を適切に守り顧客に安心して記入してもらえることを示し、返信率を高めたいところだろう。いただいた個人情報をどのようにビジネスに活用するかと同じくらい、いかに安全に守るか今回の保護法の改正に伴って改めて議論する必要がありそうだ。これから初めて個人情報のことに対応される企業の方にも参考にしていただければ幸いである。

DMライブラリとは
生活者モニターの自宅に送付されたダイレクトメールを収集した施設(ライブラリ)です。
※DMライブラリで収集したDMは著作権の関係上、実物の画像を掲載できません。実物をご覧になりたい場合は、ぜひLABOLISへお越しください。(LABOLISへのご来場は事前予約が必要です。お問い合わせページよりご連絡ください。)

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