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2018.02.23

通販化粧品、お試しセット購入から本品購入までの引き上げプログラムを徹底解剖!

「まずはお試しセットで実感してください」 

 化粧品や健康食品などの通販会社の新規顧客獲得では、本品購入の前にまずお試しセットを購入していただくという手法がある。これにより自分の体に合うかどうかや、効果を実感できるかを安価で試してもらうことができる。通販会社の多くはお試しセットを購入した見込み顧客に対し、本品購入に至るまで数回のアプローチをしている。
 ではいったい各社はどのようなタイミングでどのようなアプローチをしているのだろうか。今回ある化粧品メーカーがお試しセット購入から本品購入へとどのように引き上げているのかを、実際にお試しセットを購入して調べてみた。

お試しセット購入

 今回購入したお試しセットは5日分が入っているスキンケアセット。インターネットで注文してから3日後に商品が届いた。商品が届いた日を起点としてその後ダイレクトメール(DM)が届いたタイミングは以下の通りである。

第1信/お試しセット到着から10日後

形状:A4巻三つ折り圧着

 第1信のDMが届いたのはお試しセット到着から10日後。お試しセットが届いた2~3日後から使い始めても使い終わる頃を狙っているのだろう。

 宛名面下部に購入のお礼とその後いかがですか、との様子伺いのご挨拶が記載されている。中面では商品の定期購入を大きく扱っている。本品の初回購入特典として限定価格になっているほか、1回のみ購入や1つの商品単体での販売も紹介されておりさまざまな購入形式があることが分かる。
 このDMはまず最初のご挨拶という役目が大きいといえるが、お試しセットが届いてもまだ使い始めていないユーザーへは使用促進にもなるだろう。

第2信/お試しセット到着から17日後

形状:角6封筒

 第1信のDMから1週間後、封筒が届いた。封筒には期間限定キャンペーンの案内とあり、お試しセット購入者限定の特典や愛用者の声が同封されている。挨拶状には「商品についてもっと知ってもらいたい」と送付理由が添えられ、何が同封されているかの説明がある。

 同封物を確認してみると、1点目は商品ブランドシリーズの説明となっており、それぞれの商品がどのような役割や効果があるのかを研究者目線で解説している。2点目はお客さまの声のみが掲載されていた。手書きの感想文が年代別に載っており、自分の年代はどうだろうと関心が高まりそうだ。3点目は第1信のDMと似た構成で、初回購入特典が記載されている。デザインテイストも第1信と同じなので「そういえばこんなDMが届いていたな」と思い出しやすいだろう。

第3信/お試しセット到着から37日後

形状:A4圧着

 第2信DMから20日後、やや期間をあけて3信目のDMが届いた。お試しセット購入からまだ行動していないユーザーにリマインドさせる狙いと推測される。
 デザインテイストが少し異なっているので「また同じDMが来た・・・」とはなりにくく、新鮮な気持ちで見てもらおうとしているのかもしれない。申込用紙はついておらず、商品の良さの説明に注力している。

第4信/お試しセット到着から40日後

形状:往復はがき

 第3信DMから3日後、まだ第3信DMの記憶がある頃に往復はがきが届いた。第3信DMで商品の良さを改めて知ってもらい、再び興味を持った人にここで購入を促しているのだろう。
 今までと大きく違う点があり、今回は商品単体での購入をメインとした案内になっていた。「お試しセットは気に入ったがそろえるにはやはり価格がネック」「あの商品だけ気に入った」と言ったユーザーには化粧水だけ、乳液だけ、といった単品での購入もできることを伝えることで、購入に対するハードルも下がるだろう。

 以上、ある化粧品通販のお試しセット購入後に届いた引き上げのフォローDMをご紹介した。ここでのポイントは3つ。

1.毎回、形状が違う
 最も特徴的だったはDMの形状が毎回異なっていること。前回届いたDMと形もデザインもほぼ同じだと「今回もあの内容だろう」と慣れてしまいやすいが、毎回形状を変えることで「何が書いてあるのだろう?」と、まずは開封してもらいやすい=ゴミ箱直行とはなりにくくする狙いが感じられる。

2.各回のDMの狙いが異なる
 次に各回のDMの狙いが異なっていること。挨拶・様子伺い、お試しセット購入者限定特典のご案内、商品の良さを紹介、購入促進と、お試しセットを使って悩んでいるユーザーを振り向かせるためのシナリオが組まれていることが伺える。

3.内容への誘導、申し込み期限の記載の徹底
 各回内容への誘導や申し込み期限の記載が徹底されており「せっかくだから今申し込もう」と決断させるきっかけとなりやすい。

 いかにお試し商品購入から本品購入へと誘導するか、そのためには単に購入を促すだけでなくその時々の買い手の心理に寄り添った緻密なシナリオが組まれていることが読み取れた。企業都合だけでDMを出すのではなく内容も含め顧客とどのようなコミュニケーションを行いどのような関係性を築いていきたいか、DMが最大限活きるシナリオを考える際の参考としていただければ幸いだ。

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