FOCUS of LABOLIS

2016.12.27

エネルギー業界新時代!新電力に乗り換えする人、しない人。

「知ってはいるが、乗り換えていない」が大多数

2016年4月から電気の小売業への参入が全面自由化され、一般家庭でも電力会社を自由に選べるようになった。この「電力自由化」は誰もが知っているといっていいほど認知度が高まった。制度導入前の前年調査では6割半ばだったのが、今年の調査では9割超と大幅に増加している。にもかかわらず制度導入後半年以上が経過した今、新しい電力会社に乗り換えた人は認知者の1割程度である。「電力自由化を知った情報源」(表1)にもあるように、テレビなどのマス媒体やWebサイトを通じて「電力自由化」の認知は高まったものの「知ってはいるが、乗り換えるまでには至らない」というのが大多数の現状だろう。

(表1)電力自由化を知った情報源

↑クリックして拡大

一般的に商品やサービスを購入・導入するまでには、まずその商品・サービスを「認知」し、その特徴やメリット・デメリットなどを「理解」し、納得した上で「購入・導入」に至る。現状ではこの「認知」の段階についてはおおむねクリアしているといえよう。

新電力会社を導入した人は新電力会社にどういうイメージを持ち、どういうポイントを検討したのか。どこに乗り換えを決める壁があるのかをLABOLISの行ったアンケートを基に探ってみた。

担当者、専門家による説明は最後の一押しに

「新電力会社を検討するに当たって参考にした情報源」(表2)では多くの人が認知経路と同じように、マス媒体やWebサイトから情報を入手している他、新電力会社のWebサイトやチラシ・パンフレットを参考にしている。ここで注目したいのは導入した割合である。新電力を既に導入した人が参考にした割合が高いのは「新電力会社の店頭」(36.6%)、「新電力会社からの電話」(31.3%)、「新電力のセミナー」(23.5%)といった直接担当者とコミュニケーションを取ることのできる情報源である。
やはり担当者から直接話を聞くことでより納得感が増し、乗り換えを決意する最後の一押しになっているのだろう。

(表2)新電力会社を検討するに当たって参考にした情報源

↑クリックして拡大

新電力会社のイメージは重要、導入した人は「信頼できる」会社がTOP

では新電力会社に対するイメージはどうだろうか。電力は欠かすことのできないライフラインである。電力自由化になったからとはいえ、新電力会社にみんなが一斉に乗り換える、という流れにはなりにくい。積極派もいれば少し様子見をする慎重派もいるだろう。
既に導入した人の「新電力会社のイメージ」(表3)は、導入した割合の上位から「信頼できる」(40.9%)、「安定供給されそう」(35.2%)、「親しみやすそう」(30.5%)、「セキュリティが高そう」(29.8%)、「価格が安そう」(22.1%)という回答となる。
一方導入した割合が低い下位から見ていくと「成長力がなさそう」(0%)、「親しみづらそう」(1.2%)、「セキュリティが低そう」(1.6%)、「供給が不安定そう」(2.5%)、「信頼できない」(2.8%)、「環境への配慮が低そう」(4.8%)、「先進性がなさそう」(6.0%)という軒並み1桁代のパーセンテージになる。つまり下位項目のイメージを持つ生活者のほとんどは「まだ不安を感じている」ため、導入に至っていないのだ。

(表3)新電力会社のイメージ

↑クリックして拡大

信頼感、安心感、納得感が検討ポイント

関心・興味のある電力会社はある。そういう段階にいる生活者は理解度を深めるためにどういう情報を集めるのだろうか。
「新電力会社を検討するために集めた情報」(表4)を見ると「乗り換えに掛かる期間に関する情報」が導入した割合のトップとなっている。次いで「初期費用」や「キャンペーン情報」などである。実際に乗り換えるときに影響のある情報を集めている人は、やはり具体的な検討に入っている人なのだろう。

(表4)新電力会社を検討するために集めた情報

↑クリックして拡大

次に「新電力会社への乗り換えにおいて検討したポイント」(表5)では「価格の安さ」(63.8%)を挙げた回答者数が多い。しかし検討人数は少ないものの、実際に導入した人の割合では「企業規模」(67.4%)と「コールセンターや営業担当者の対応」(71.4%)が勝っている。
価格は乗り換えの大事な検討ポイントではあるが、最重要のポイントではない、ということだろう。企業規模や電力供給の安定性、コールセンターを通じた人との会話は信頼感や安心感、納得感につながり、乗り換えの強い動機になることが分かる。

(表5)新電力会社への乗り換えにおいて検討したポイント

↑クリックして拡大

「新電力自由化」の認知が広がったもののまだまだ新電力への乗り換えは進んでいない。それは「知っているが乗り換えに至らない」人が多いという現状から見ても、これまでになかった「ライフラインを選択できる」というメリット・デメリットが生活者に適切に伝わって無いからではないだろうか。
実際に新電力を導入した生活者は新電力会社の担当者と直接コミュニケーションを取った人が多く、店頭や電話での案内が大きく起因していることが今回の調査結果で見えてきた。まだ新電力の理解が進んでいない生活者に向け、店舗への誘導や電話での直接的なコミュニケーション施策を強化することが「安さ」だけではない「メリット」を理解させ「信頼感」を高めるという点で重要なポイントとなるだろう。

【調査概要】
 調査手法 :株式会社ネオマーケティングによるWebアンケート方式で実施
 対象者  :18歳以上の男女
       茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、山梨県、
       滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県にお住まいの方
 有効回答数:5,000名(関東在住2,500名/関西在住2,500名)
 実施時期 :2016年6月15日(水)~ 2016年6月16日(木)

ニュースリリース:電力自由化に関する認知度9割超えるも、導入意向低いまま。
 若年層ほど紙の検針票のみで確認、年配層はWebと併用の傾向

関連事例・調査レポートダウンロード

  • 電力自由化
    電力自由化に関する調査
    生活者の認知度合いや新電力会社への乗り換え状況などの調査報告書です。

    PDFをダウンロードする

お問い合わせの後の流れ
お問い合わせの後の流れ

記事についてのお問い合わせ・ご相談はこちら

※コーポレートサイトに移動します。