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2017.03.15

デジタル、アナリティクス、loTの時代を生き抜く ダイレクトマーケティングの世界的権威

デジタル、アナリティクス、loTの時代を生き抜く ダイレクトマーケティングの世界的権威

 今の時代、私たちマーケターは皆、顧客たちがソーシャルメディア、インバウンド、デジタルマーケティングコミュニケーションといった技術で日々変化していることを感じていると思います。そのような環境にあっても私たちは、効果的・効率的なコミュニケーション提案を継続していかなくてはなりません。今日は、これからの時代においてマーケターがどのような認識のもとで仕事をすべきかお話したいと思います。

マルチチャネルによる「カスタマージャーニー」が2017年のトレンド

 伝統に基づいた比較的大規模なプロモーションを年に一度行う、といった傾向が強くアウトバウンド(発信)への意識が高い現在の日本のマーケティングに比べ、アメリカではきめ細かなプロモーションを365日絶え間なく行うといった方向性でインバウンド(取り込み)への意識が高まっています。このトレンドは日本にも到来すると思います。今、顧客たちはあらゆる機会を利して自分に有益な情報を得ています。情報源はもっぱら、アルゴリズム、AI、パターン分析などによって、よりリッチなものへと進化しているオンラインです。私たちアメリカのマーケターは今、顧客の「発見」「体験」「購買」へとつながるようなチャンネル、デバイス、コンテンツやストーリーを見つけることに注力しています。そして顧客がたどるこの一連の流れをカスタマージャーニーと呼びます。

カスタマージャーニーの一つの例

(図1)カスタマージャーニーの一つの例

 この図はカスタマージャーニーの一つの例です。マーケターの陥りがちなケースとしてよく見受けられるのが、顧客を全て一くくりにしてパターン化してしまうと、いうことです。私たちはまず「個々の違い」を理解してから各々を対象としたカスタマージャーニーを考えることが大切です。
 そしてこのカスタマージャーニーの道中の、どのタイミングでいかなるプロモーションを行うのが効果的なのかを見出し、適時それを行うことが要求されます。

IoT、そしてAIにより、バイアスを排したマーケティングを

 今回の来日に当たって、「IoT」について語ってほしいというリクエストを頂戴しました。
 まだ世間全体に周知されているとは言い難いIoTという言葉。家のモニタリングやメディカル分野での製品・サービス、またスマートウォッチなどのウェアラブル端末をイメージされる方が多いのではないでしょうか。しかしこのIoTという言葉に高い親和性を持つ世代がいます。Millennials(1981〜1995年生まれ)の4人中3人がウェアラブル端末は新たなコミュニケーション手段になり得ると考え、2人に1人はライフスタイルに取り込むことを考えています。マーケターにとって興味深い数字ではありますが、われわれは今IoTとともにAI(人工知能)にも強い意識を向けています。AIの有効な使用により、思い込みの先入観といったバイアスを排したマーケティングを行うことができるようになると考えています。

ジェネレーションY、ジェネレーションZに呼応するダイレクトマーケティングとは

 先ほど申し上げたMillennials(1981〜1995年生まれ)世代のことを私たちは「ジェネレーションY」とも呼んでいます。そして私たちが今「ジェネレーションY」とともに関心を寄せているのがさらに若い「ジェネレーションZ」世代です。1995年以降に生まれたこの世代をCENTENNIALSとも呼んでいます。ジェネレーションYがデスクトップPCから解き放たれスマートフォンやタブレットに親和性を持つ世代だとするならばジェネレーションZはもはやスマートフォンなしでは生活が成り立たない世代であり考え方も独自なものがあります。
 われわれのリサーチでは、例えばMillennialsを対象としたダイレクトマーケティングにおいては、
・テキストはシンプルで短く。
・DMには目を引くデザイン、ボールド書体、ハイ・コントラストの色使いを。
・写真を使う場合は「リアル」なイメージを用いる。
・第三者情報を上手に取り込む。
・DMを送って終わりにせず、Webサイトやソーシャルメディアへの導きを忘れずに。
・ユーモア、ポップカルチャー的な要素を盛り込む。
・「起こしてほしい行動」を明記する。

など、文章を読まないこの世代に対して「スキャンするかのように」見てもらう要素を作ることが大切であることが分かりました。

それぞれの世代と世代形成体験

(図2)それぞれの世代と世代形成体験

マイクロストラテジーを絶え間なく

 以上を踏まえ、今日のマーケティングにどのような姿勢で臨むべきかを考えてみたいと思います。
 従来のマーケティングはリサーチから始まるビッグ・キャンペーンが中心にあり、我々もそれをカスタマージャーニーに合わせた施作だと思っていました。ですがそのような方法は、2017年にはもはや通用しないものだと私たちは考えます。小規模なキャンペーンや施策(マイクロストラテジー)を高い頻度で行い、そこで得たデータから最適化された新たなストラテジーを施す。この繰り返しがこれからのダイレクトマーケティングの形だと言えると思います。Webサイト一つをとっても、最後の更新が2年前、などということではいけません。細かく小まめな更新と分析により顧客が何をもって意思決定を行うかの情報を得ることができるようになり、その情報こそがマーケティングのハブとなりうるのです。
 しかし、サイトが100万アクセスを達成した、あるいは100万の「いいね!」が付いた、ということだけで、あなたは上司やクライアントを納得させられるでしょうか? マーケターは常にビジネスゴールの見方を明確にしておく必要があります。

ビジネスのゴール

(図3)ビジネスのゴール

 クライアントには各々目的があります。マーケターがいかなるアイデアを持ち出したとしても、それがクライアントの利益に資するものでなければ意味がありません。
 これからの時代、有益なマーケティングを行うためには、下図に示すような「モニター」からマネジメントのサイクルの不断の継続が大切だと言えるでしょう。

マネジメントのサイクル

(図4)マネジメントのサイクル

profile

ロン・ジェイコブス(Ron Jacobs)氏 ●Jacobs & Clevenger,INC. President

ダイレクトマーケティングの世界的権威

 ジェイコブス&クレベンジャー社長。同社はマルチチャネルによるダイレクトマーケティング・コミュニケーション会社として、ダイレクト、データベース、デジタルなマーケティングソリューションを提供している。1982年創立。
 クライアントは、オールステート損害保険、米国マーケティング協会、カーズ(ドットコム)、HSBC、IBM、インターナショナルトラックス、マイクロソフト、全米レストラン協会教育財団、オービッツ、ウルタ、米連邦準備銀行など。
 米国およびカナダで訴訟時の鑑定人を務めている。実務家でもあり、教育者でもある。
 ノースウェスタン大学メディル校の「統合マーケティングコミュニケーション」プログラム上級講師、デポール大学では「ダイレクトマーケティング」認定プログラムのコーディネーターを1991〜95年まで務めた。
 1994年にはダイレクトマーケティング教育財団の「ダイレクトマーケティングの優秀教育者賞」を受賞。コンサルティング業務やセミナーで世界各国、そして全米各地を回り、マルチチャネルによるダイレクトマーケティングの手段・手法を行く先々で広めることに情熱を注いでいる。
 シカゴダイレクトマーケティング協会元会長であり、同協会よりマーケターオブザイヤーを受賞。
 同協会の教育財団理事を長年務めているほか、同財団キャンペーン委員会元総会長。同協会の1998年最優秀ダイレクトマーケター。米国ダイレクトマーケティング協会の政治活動委員会の諮問委員会メンバー。全米広告審査委員会のメンバー。

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