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2017.04.21

「DM week 2017」「好き」はつくれる 目指せ!0秒で心を開くコンテンツ

「好き」はつくれる 目指せ!0秒で心を開くコンテンツ

DM week 2017 セミナーレポート

「全ての人々に、人生が変わる出会いを。」をコンセプトとしたAI(人工知能)であるSENSY(センシー)。
AIに対する見方と日本における活用の可能性を展望しつつSENSYの実績と最新の取り組み事例についてご紹介します。

SENSY誕生のキッカケとビジョン

 AIはさまざまな技術要素から成りたち、その目的もさまざまです。私たちカラフル・ボード株式会社がリリースしたAIアプリ「SENSY」は「パーソナルAI」と呼ばれる領域で事業展開しています。

 キッカケは、戦略コンサルタント時代に担当したアパレル業界における膨大な在庫でした。調べてみるとトレンドの移り変わりの激しい同業界は他と比較しても在庫回転率が極めて悪いことが分かりました。社会的な観点からも解決したい問題でした。
 2010年頃になり、ディープラーニングという言葉が認知され始め、スマートフォンも急速に普及し始めソーシャルなアプリも現れたことで、マーケットやお客さま一人ひとりのデータにアクセスしやすい環境が整ってきました。それにより、マーケットのデータと進歩を遂げたAI、ディープラーニング技術を掛け合わせることで在庫の問題を解決することができるのではないか、お客さま起点の物作りや業界の構造を作れるのではないかと着想しました。

 需給のミスマッチによる損失はさまざまな機会で発生しています。
 例えばショッピングサイトで「黒 ジャケット」で検索すると90万件以上のヒットがありますが、自分の好みでないものも多く含まれますし、反面まだ知らなかった商品や「出会うこと」ができれば自分の人生が変わるかもしれない商品も埋もれているかもしれません。
 この「出会い」こそが、産業や生活者の課題を解決する鍵になると考え、AIを用いて最良な「出会い」をもたらすアプリの開発に取り組みました。

「感性(センス)」に着目する

 「出会い」を科学するに際して私たちが着目したのが「感性」です。
 あらゆる人間の五感に伴うインプットと、それがもたらす感情との関係性のロジックを「感性」と定義してそれを解析できれば、あらゆる情報マッチングにつながるのではと考えました。
 この人によって全く異なる感性をつかさどるために、人々が一人一台、いわば「2人目の自分」としてそれぞれのパーソナル人工知能を持つことで常に自らの感性を解析してくれるような環境ができれば、AI側からのコンテンツの提案も可能になると考えます。

SENSY誕生のキッカケとビジョン

 私たちはパーソナル人工知能の先に「プラットフォーム構想」を描いています。
 プラットフォーム構想とは、各々のパーソナル人工知能のデータをクラウド上に置いておくようなイメージです。それにより、スマートフォン、ウエアラブル機器、ロボットなど、シーンに応じて最適なインターフェースで生活をサポートしてくれるほか、企業も顧客の感性にアクセスできる環境を作ることができれば、多様な業界に新たなサービスを提供できると考えています。

SENSYのしくみ

 少し技術的なお話もします。

 被験者に3枚のファッション写真を見せて「直感的」に2つのグループに分けてもらう、というテストを行うと、服の色調で分ける人、モデルさんの雰囲気で分ける人、服の形状で分ける人などさまざまな分類の仕方が現れます。その分け方こそが個人の感性を表すものであり、写真を100枚に増やせばより高次元な感性の解析が可能になります。実際には画像だけでなく、テキスト、動画などさまざまなインプットから被験者各々の情報整理(感性の解析)の仕方をディープラーニングを用いて形成しています。
 これにより、例えばファッションのECサイトで「ワンピース」を通常検索した場合は5段階で評価する「好み」の高評価点(4 or 5)の商品が11%しかなかったのに比べ、SENSYによるキューレーションでは50%にアップするといった実証実験結果も得られています。

SENSYの活用事例

 SENSYのプラットフォームを用いて、消費者向けに自分に似合うコーディネートを考えてくれたり、気になったアイテムの店舗誘導などを行うファッションリコメンドのアプリ(プロダクト化済み)や、β版としてレストラン案内のサービスを提供しています。企業向けには販売店で顧客に合わせたオススメ商品やコーディネートをご提案できるサービスや、ECサイトではお客さまが自宅に持っているファッションアイテムも活かしたコーディネート提案をするサービスも展開しています。

 またダイレクトマーケティングの領域においても「パーソナライズDM」を昨年夏にスタートさせています。パーソナライズDMとは、ユーザーごとにレコメンドアイテムやオファー内容をSENSYと連携することでパーソナライズするDMソリューションで、従来のDMのABテストの結果との比較で約150%の売上UPとなりました。

 食品業界においては3種のワインを試飲していただき、甘み、渋みの印象や一緒に食べたい料理などをタブレット端末に返答していただくことでオススメのワインをリコメンドする「AIソムリエ」のサービスがスタートしています。このサービスはお客さまにとって便利なだけでなく、店舗やメーカーにとっても消費者の味覚のデータが取れるということも重要なポイントです。
 その他、各業界で30社以上のパートナーさまと案件が進行中です。

カラフルボードとトッパンフォームズのコラボレーションがスタート

 最後に、3月9日に発表されました新プロジェクトをご紹介します。
 カラフルボードの「SENSY」とトッパンフォームズの嗜好性データベース「ugocus engine」を掛け合わせることによって「誰に」「何を」(SENSY)「どのように」(ugocus engine)伝えるかについてコンテンツパーソナライズエンジンを構築してまいります。これにより、SENSYが学習したユーザーごとの感性をugocus engineの顧客セグメントに自動分類し、デザイン、コピー、レイアウトなどのクリエイティブのパーソナライズを実現していきます。どうぞご期待ください。

カラフルボードとトッパンフォームズのコラボレーションがスタート

profile

渡辺 祐樹 氏(わたなべ・ゆうき)●慶應義塾大学理工学部で人工知能アルゴリズム研究に従事。2005年、株式会社フォーバルにアントレプレナー制度の一期生として入社。その後、IBMビジネスコンサルティングサービス株式会社で戦略コンサルタントとして活躍。同社在籍中に公認会計士試験合格。日本公認会計士協会所属。2011年、カラフル・ボード株式会社を設立、代表取締役に就任。同社は2013年、週刊東洋経済の「新成長ビジネス100」に選出、伸び盛り100社として掲載される。

(所属、役職は講演当時のものです)

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