FOCUS of LABOLIS

2017.11.07

どうすれば“分かりやすさ”はUPする?金融機関のツールに求められる3つのポイント

 2017年3月に金融庁が公表した「顧客本位の業務運営に関する原則」7つのうち、顧客とのコミュニケーションに関わる「重要な情報の分かりやすい提供」という項目がある。だが金融商品購入者にとっての “分かりやすさ”とは、そもそも何を指しているのだろうか。

 恐らく数字が苦手な方と金融の仕組みが苦手な方にとっての“分かりやすさ”は多少違ってくるだろう。販売担当者は購入検討者それぞれの苦手領域をコミュニケーションで補完しながら、後で目を通したときに内容を思い出してもらえるような、分かりやすさの「最適解」を持つツールを準備することが望ましい。

 今回LABOLISは、金融商品の購入前に目を通すべきツールである「重要事項説明書・目論見書」に関して、どのような工夫(文字・デザイン・媒体)が欲しいかを調査した。対象としたのは、金融商品の購入・申し込み経験がある20~70代以上までの各世代性別100人ずつ、計1,200人である。

約半数の人が「読みやすくしてほしい」と回答!

 重要事項説明書とは、契約時に交付が必須となる金融商品の概要や契約時の注意事項がまとめられた書面のこと。購入検討者が一人で読んでも、全体の内容を理解できるように作成する必要がある。

 また目論見書とは有価証券の取得申し込みを勧誘する場合などに投資家に交付される文書であり、当該有価証券の発行者や内容を説明したものである。

 これらの書面に目を通す際どのような工夫(文字・デザイン・媒体)が欲しいかを調査したところ、以下の回答が得られた(複数回答可)。

(表1)重要事項説明書・目論見書に関して、
どのような工夫(文字・デザイン・媒体)がほしいですか。(表1)重要事項説明書・目論見書に関して、どのような工夫
(文字・デザイン・媒体)がほしいですか。

 約半数の人が「読みやすくしてほしい」と回答。また「難しい言葉」「専門用語」は少ない方が良いが、単純に減らすのではなく、重要かつ難しい内容について注釈・口頭・別紙などでフォローしてほしいと感じているようだ。

 デザイン面に関しては「情報の重要度によってメリハリをつけてほしい」という意見があった。また少数ではあるが「情報を少なくしてほしい」「マンガ風にしてほしい」といった回答も得られている。

図や表の使い過ぎは、かえって逆効果となることも

 次に金融機関の各種ツール(パンフレット、申込書、チラシ、Webサイト)の印象を答えてもらったところ悪い印象が多数を占めていた(複数回答可)。

(表2)金融機関の各種ツールの印象(表2)金融機関の各種ツールの印象

 回答者の4割が「情報量が多い」「専門用語が多い」と感じている。図表の多用は「分かりやすい(16.8%)」の一方で、「分かりにくい(11.5%)」という回答も出ている。良かれと思って図表を活用したはずが、表現によっては分かりにくくなってしまうこともあるので、使う際は見せ方や数などをしっかりと検討しなければならない。

 また「重要な箇所が分かりにくい(29.0%)」のポイントが高いが、4割弱の人が「重要な箇所のみしっかり読む」 という調査結果も出ているため、読むべき箇所を分かりやすく表現することも必要である。

 以上のことから、各種ツールに求められる工夫は次の3つが挙げられる。

・情報過多にならぬよう文字・図表のバランスを考える。
・重要度に応じてメリハリをつける。
・専門用語は注釈・別紙・口頭などでフォローする。

 金融商品はその特性上どうしても情報量が多くなってしまいがちである。この3点を意識し、多くの方に“分かりやすい”と感じてもらえる説明ツール作りのヒントとしていただけたら幸いである。

ニュースリリース:金融商品を購入・申し込みする際に、誤解した経験がある人は4割
コミュニケーションツールのフィデューシャリー・デューティー対応を支援する金融機関向け新サービスを提供開始(コーポレートサイトへ移動します)

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