2020.01.27
(表1)業界別DM通数
(表2)形状別DM通数
形状別の割合は例年とおおむね同様の割合であった。ただ、「はがき形状」と「封筒」の割合を比較すると、ここ3年は「はがき形状」の方が多かったのに対し、今回は「封筒」の割合が「はがき形状」よりも多くなっている。増税により郵便料金が値上がりするなら少しでも情報量を多く載せられる形状へ、と移行してきたのかと思われる。
(表3)DM送付形態
送付形態を見てみると、「定型封筒」はメール便で送られることも多い。注目したいのは、封筒の素材によってメール便の利用率が大きく異なる点だ。特に紙封筒を多く利用しているのは「金融」と「公共・その他」の業界である。重要な情報は「紙」の封筒を用いて「郵送」で送るが、そうでない場合は「フィルム封筒」を用いたり「メール便」で送ることが多い、という推測ができる。
(表4)DMのレスポンス方法
レスポンス方法としては、「電話番号」と「Web」の記載がそれぞれ7割を超えている。特に「Web」の記載についてはQRコードの掲載が増加傾向にある。2年前は約半数だったことと比較して、今回は8割弱のDMにQRコードが掲載されている。
以前実施した「DMに関する調査(2017年度)」を見ても、DMに記載されたWebサイトへのアクセスに当たり、「QRコードを利用する」という回答が年々増加している。
2017年9月にリリースされたiOS11以降、iPhoneでも標準カメラにQR読み取り機能が備わったり、各種QRコード決済が普及してきたりと、生活の中でQRコードと接触する機会がより増加していることも影響しているのだろう。
形状や送付形態は、どうしても企業の都合が大きく影響してしまう。けれど、内容やデザインに関しては、受け取り手目線に立って次の行動を取りやすいようにいくらでも工夫することができる。Webのアクセス方法もテクノロジーによる生活環境の変化に応じて日々変化しており、それに合わせてQRコードを記載する流れに変わってきたということだろう。
DMも、外部環境の変化に合わせて進化させていく必要がある。“以前の結果が良かったから”という過去の踏襲だけではなく、DMを構成する「リスト」「タイミング」「オファー」「クリエイティブ」の要素が“今出すDM”として最適なものであるかを振り返る一助となれば幸いだ。
※QRコードは株式会社デンソーウェーブの登録商標です。
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※QRコードは株式会社デンソーウェーブの登録商標です。
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