FOCUS of LABOLIS

2016.10.19

[視線計測(アイトラッキング)×感性アナライザ]売り上げ2割アップの秘密とは?無意識行動の分析によるPOPの検証事例

 LABOLISでは、人の視線の動きを計測する「視線計測装置」(アイトラッカー)や、脳波から感性を測る「感性アナライザ※」を活用し、生活者の気持ちや行動を調査するソリューションを提供している。どこを見ているときに何を感じているのか、無意識を可視化することでさまざまなツールやコミュニケーションの改善へとつなげている。今回は購買における無意識行動を分析した事例をご紹介したい。

 今回の事例では、某大手コンビニチェーンさまと共同で、生活者がスイーツを購入する際にスイーツショーケースやPOPをどのように見て商品を選択しているかや、POPの販売促進効果について計3回の調査を行った。

実は人の目線の高さが見られていない?!アイランド型ショーケースでの意外な視線の動き

調査風景

調査風景
 1回目の調査では、シェルフ型とアイランド型2種類のショーケースについて、普段通りのレイアウト・販促物の状態で調査し現状分析を行った。被験者には自由にスイーツを選んでもらい、視線と感性を計測した。
 その結果、シェルフ型では視線が全体的に行き届いている事が確認できた。一方、アイランド型のショーケースでは人の目線の高さに当たる最上段が死角になっており、棚上の手作りのPOPにも視線が届いていない事が確認できた。

 通常の店舗オペレーションでは、新作のスイーツは、目立つように人の目の高さに置く事になっているが、アイランド型ではあまり見られていない可能性があることが分かった。

シェルフ型ショーケースのヒートマップ

シェルフ型ショーケースの
ヒートマップ
アイランド型ショーケースのヒートマップ

アイランド型ショーケースの
ヒートマップ

 更に調査後にヒアリングを行ったところ、アイランド型で視線が集中していた最下段は「興味があって良く見ていた」という被験者もいたが「パッケージの文字が小さくて見えにくいからよく見ていた」という被験者もいた。見られていた理由としてはポジティブなものとネガティブなものとあるものの、位置としては見られやすい場所と捕らえてよいだろう。
 また、感性アナライザの計測データからは、購入したり手に取った商品を見た時に「好き度・興味度」が上昇したり、値段を計算する時に「ストレス度」が上昇する事が判明した。

 商品名や値段が分かりやすいパッケージデザインや、欲しい商品を見つけやすいレイアウトにする事で、より「好き度・興味度」を上げ「ストレス度」を軽減し、購買意欲を高められると考えられる。

img02

感性アナライザ測定値
アイランド型は意外にも目線の高さの商品が見られていない。

長尺POPの効果で売り上げ2割増!販促効果の高いPOPと、そのPOPによる売り上げ効果検証

 2回目の調査では、死角となっていたアイランド型ショーケース最上段への誘導効果の高いPOPの検証を行った。五感マーケティングの観点から以下の5つを開発し、最上段への視線誘導率、最上段での視線滞在率、POP自体への視線到達率を測定した。

■動くPOP ■光るPOP ■サイネージ ■長尺POP ■ロボット

 結果、「動くPOP」と「長尺POP」2つの効果が高いということが分かった。

動くPOP

動くPOPイメージ

長尺POP

長尺POPイメージ

 更に3回目の調査では、視線誘導効果の高い「動くPOP」と「長尺POP」が商品の売り上げにも貢献しているかの調査を実施。「従来のPOP」「動くPOP」「長尺POP」を水曜日・木曜日・金曜日で入れ替えながら3週間設置し、スイーツの売り上げ個数を計測した。

動くPOP設置風景

動くPOP設置風景
長尺POP設置風景

長尺POP設置風景

 「動くPOP」の設置に関しては売り上げ個数に大きな差は出なかった。一方、「長尺POP」を設置したところ「従来のPOP」と比較して、全体に対する最上段のスイーツの販売率が調査期間中18%向上という結果となった。「長尺POP」は棚の上部全面を使用して一体感のあるデザインでアピールできる、新たなコンビニ販促ツールとして効果が見込めると考えられる。

 以上の3回に渡る調査を通じ、以下の事が分かった。

  • アイランド型のスイーツショーケースでは人の視線の高さに置いたスイーツが意外と見られていない。
  • 「動くPOP」「長尺POP」は視線を誘導する効果が高い。
  • 更に「長尺POP」は販促ツールとして売り上げ貢献の効果が見込める。

 商品レイアウトに加えて、視線誘導効果の高いPOPを設置する事で死角をなくし、機会損失を防ぐ事ができると考えられる。

 今回の事例のように、生活者の行動を実際に計測することで、今までの知見に対する科学的な検証や、新たな気付きを見つけ出すことができる。
 LABOLISでは従来のマーケティング手法に加えて、生活者の無意識の行動測定から知見を得ることで、より深い生活者インサイトの把握からのコミュニケーション改善を提案していきたい。

※感性アナライザ:「感性アナライザ」は興味、好き、沈静、ストレス、集中を脳波から客観的な数値で示すことができるシステム。慶應義塾大学理工学部准教授の満倉靖恵氏が15年以上に渡って研究してきた、人の気持ちを脳波からダイレクトに把握する技術を活用し、株式会社電通サイエンスジャムと共同で開発。

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