2018.02.01
そこでLABOLISは金融商品の購入・申し込み時に発生する「商品への誤解の有無」と購入・申し込み後の「不満の有無」を調査した。調査対象は金融商品の購入・申し込み経験がある20~70代以上までの各世代性別100人ずつ計1,200人である。
生命保険や株式などの金融商品の契約内容には、日頃なじみが無い人にとって理解が難しい内容がいくつも含まれている。そこで契約内容について購入・申し込み時に「全く理解していなかった」を0%、「完全に理解していた」を100%とした場合、自らの理解度が何%程度であったかを尋ねた。すると理解度の全体平均は保険商品で59.4%、保険以外の金融商品で60.2%という結果が得られた。
また当然だが金融機関担当者から渡される重要事項説明書や目論見書をしっかり読む人ほど理解度が高く、読まない人は理解度が低くなる傾向も確認できた。
(表1)金融商品に関する購入・申し込み時の内容への理解度
続いて金融商品を購入・申し込みする際、内容に対する誤解があったかどうかを尋ねた。すると保険商品では47.1%が一度以上「誤解したことがある」と回答し、そのうち「よくある」「何度か」が合わせて25.4%と全体の約4分の1の人が誤解を繰り返している様子が伺える。
(表2)金融商品を購入・申し込みする際、内容に関して誤解はありませんでしたか
誤解していた内容で最も多かったのは更新時に「保険料が上がるとは思わなかった」だった。しかし別の質問で「掛け金・保険料」を分かりにくい・覚えられないとする人は比較的少ないという調査結果も出ている。
(※ご参考:重視したはずの「保障内容」が分かりにくく、覚えられない)
これらの結果から「更新内容を強調して説明する」「定期的にコミュニケーションツールを郵送して思い出してもらう」などの工夫も必要かもしれない。
保険商品以外では43.1%が「誤解したことがある」と回答。繰り返し誤解をしている人も22.7%存在した。誤解していた内容は「説明ほど儲からなかった」「手数料の支払い金額が多かった」が多数であった。
また金融商品の購入・申し込み時に不満を感じたことがある人は全体の約半数となった。
(表3)金融商品を購入・申し込み後、不満を感じたことはありますか
自由回答の結果から頻出単語を抽出すると、不満の具体的な内容は担当者の「説明」に関するものが多く「不十分」「分かりにくい」などの回答が多く見られた。男女別に見ると、男性では「思っていた内容と違う」「商品が元本割れをした」といった商品内容に関するものが、女性では「分からない」「分かりにくい」という理解が不十分なことを表す単語が多く見られた。
(表4)どのような不満がありましたか。(自由回答の結果より、頻出単語をランキング)
フィデューシャリー・デューティー(顧客本意の業務運営)の観点が求められる今、金融機関は今まで以上に顧客にとって重要な内容をより分かりやすく説明しなければならない。半数近くの人が誤解したり不満を感じたりしているポイントを解消できれば、顧客満足度も高まっていくだろう。
実際にどこが誤解されやすいポイントなのかを具体的に見つけるには、実際に生活者に被験者となってもらい視線計測調査やデプスインタビューを行うなどの方法もある。是非参考にしていただきたい。
・ニュースリリース:金融商品を購入・申し込みする際に、誤解した経験がある人は4割
・コミュニケーションツールのフィデューシャリー・デューティー対応を支援する金融機関向け新サービスを提供開始(コーポレートサイトへ移動します)
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